気まま

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【短文】ガラスのくつ
短文アップですー。総士過去書いてたら行き詰っry

あ、完全ビジュアルブックを今更手に入れて、うはうはしてます。
未公開シナリオ集を読んだら、「芹の家に乙姫が居候」というシナリオがあって、うっかり萌えて書きました。
最初はギャグのつもりだったのに、(総士の寂しさ的な意味で)、気がついたら大層真面目な話になってました。おおう。

いつでも表情を変えず堅物な総士の突っ込みが一騎でしたが、芹でも出来ないかなーと思って試してみましたが撃沈。ただ、皆城兄妹に挟まれて内心どっきどきな芹を書けて楽しかったです。

後、未公開シナリオ集では乙姫のカットが基本的に「乙姫の神秘性」を重要視してて、ちょっと面白かったです。
そんな訳でパラレル妄想ですー。



夕刻、アルヴィス内で雑務をしていた時、乙姫から連絡があった。

「お願いがあるの」

呼び出されたのは、「立上」家。総士がインターホンを押すと、明るい声が返事をする。
皆城と名乗ると慌てて玄関の戸が開かれ、パイロット候補生の立上芹がそこに居た。

「突然すまない。乙姫が来てないか」

乙姫に突然呼び出されただけで、乙姫がそこに居るかは聞いていなかった。
問うと、芹は頷いた。芹が後ろを振り返った時、乙姫が玄関へとやってきた。

「総士」
「どうした?」
「あのね、私・・・」

躊躇いがちに兄の顔を見つめてくる。

「芹ちゃんと一緒に居たいの。だから、ここに住みたい。いい?」

そう言い切ると、朗らかな表情に戻った。総士自身の決断を静かに見守る体制になったようだ。
総士は、言われた内容は寝耳に水だったが、お願いの内容を静かに心に受け止めていた。
その成り行きを二人の間で静かに見守る芹自身は、表情には出さないが、内心冷や汗が出ていた。
何しろ全く関わりのない、先輩である皆城総士が、我が家に訪れているだけでも心拍数が跳ね上がる思いだった。

そんなそれぞれの心情を挟み、一瞬の間。総士はいつもの真顔のまま。

「そうか。お前がそう望むなら、僕は受け入れるだけだ」
「ありがとう、総士」

まさかあっさり受け入れられると思わず、芹だけが戸惑っていた。
そんな芹の方に総士は。「立上、乙姫を宜しく頼む」と言い一礼して去っていった。
呆然と去っていく後ろ姿を見送っていたが、乙姫と総士、二人を見て、思わずその後を追いかけていた。

その芹の背中を優しい眼差しで乙姫は見送った。
外に出るともう夜の気配の竜宮島だった。部屋の光に慣れていた目が夜の闇に慣れない。
アルヴィスの制服の後姿に向かって声を掛ける。

「皆城先輩、いいんですか?」

総士が、静かに振り返る。追いかけてきたのは足音で分かっていた。
問われた内容にも察しがついていたのだろう。総士は心の中で自分に課してきた事を声に出した。

「僕は、乙姫の願いは出来る限り叶えてやりたいと思っている」
「・・・」
「だから、君は、乙姫と一緒に居てやってくれ」

そうして再度、総士は芹に願う。

総士の視線をしっかりと受け止めて。芹は、言葉なく、静かに頷く。

「ありがとう」

「皆城先輩」に素直にお礼を言われ、戸惑った。
だが、少し寂しそうな総士の表情に彼女は気付いた。

総士への乙姫の願い。それは少し寂しいものだった。
外に出る事の出来た乙姫。外に自由に居られる時間も限られている。
人間の一生にしては限りなく短い時間。
子供の頃から「乙姫を守らなければ」と思っていた総士にとって、外界に出て自由に歩いている乙姫の願いを叶える事こそ、兄としての使命だった。
それが、総士自身で叶えられるものでなかった事が、心にじわりと響いた。

どんな時でも表情をあまり変えない総士だったが、芹の目にはしっかりとその寂しさが伝わった。
そして、芹は提案する。

「あの、私の家、爺ちゃんと二人暮らしなんです」

突然話し出す芹を見つめる。

「だから、もし皆城先輩が良ければ、今日うちでご飯、食べませんか。そしたら乙姫ちゃんも喜ぶだろうし」

彼女の人柄、優しさが伝わってきた。

「・・・そうか。」

芹の真剣で優しい眼差しを見て、納得する総士。

「ありがとう」

そうして、再び芹の家へ戻っていく二人。
皆城兄妹にささやかで、大事な幸せを運んだ事を芹自身は全く気付いていない。

芹は総士と二人、家路へ戻りながら、「皆城先輩も、今日だけじゃなくて、いつでも来てくださいね」と笑った。
総士は相変わらずの真顔で「乙姫が望むなら」と言った。

end


2010.09.16
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