気まま

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【短文】剣司happybirthday!
ギリギリ!剣司お誕生日おめでとうー!な短文です。
最近予告や蒼穹のせいで一騎(+総士/操)の事ばかり妄想してましたが、間にあってよかった…!
このブログの中で一番早く書けたと思います(笑)
そんな瞬発力な文章ですが、剣司の誕生日を祝ってあげたかったので生暖かく読んでいただけたら幸いです。
では!

※咲良の補足としては>>治療の末、車椅子で自力で動ける位回復したが、まだアルヴィス内で治療継続中みたいな。そんな感じです。



アルヴィス内の休憩所で一息ついていたカノンと剣司。
いつもなら「疲弊不満疲労空腹その他身近な話題」を条件反射のように、自由気ままに発言していく剣司だったが、今日は黙って考え込んでいた。
その様子を隣の席でぼんやりと眺めていたカノン。静かで居心地がいいが、BGMが全くなく落ち着かなかった。
「なあ、剣司、どうしたんだ」
「え……?」
「何か、考え事か?」思い切って聞いてみた。
というか「考え事」以外ではないような、仕草だったので。一点を見つめ、自身の中で問答を繰り返してるような。
「……いや、その、咲良の事なんだ……」
言いづらそうに口に出すその話題は、この休憩所でもおなじみの話題だった。
咲良の話題は「上記にあげた話題」以外では皆が気にしている件でもあり、とかく剣司にとっては今現在生きてる中で、一番大事な「話題」であろう。
「咲良が、どうかしたのか?」
カノンはちょうど昨日、治療室に行ったので、容体が急変したということはないだろうと思っていた。
「俺、毎日咲良の見舞いに行ってただろ…。」
「あぁ」周知の事実だった。勿論要先生にお世話になってるから、という建前もあるが、剣司の一番はずっと咲良だ。
「それがさ、ここ一週間、ずっと部屋に入れてくれないんだ……」
「え」カノンの表情が分かりやすく固まった。
「お前、何か知ってるのか」と藁にも縋る想いで訪ねた。
「さ、さぁ、な」これほど分かりやすい反応はなかった。
しかし、いくら問いただしても、「知らない」「どうだろうなあ」「きっと調子が悪かったんじゃないか」と、動揺しながらもかわされてしまった。
「……なあ、カノン、お願いだ。俺が、無神経に傷つけるような事言ってるかもしれないんだろ…謝りたいんだ」
「それはないと、思うが。でも」
「でも?」
「もし傷つけるような発言をしていたなら、それは自分で気づくべきじゃ、ないのか」
「………確かに……な」
確かに。自分で気付けず、咲良に聞けず、カノンに頼むのはお門違い、逃げだろう。
「ごめん」
「い、いや、いいんだ。それより」
「うん…?」
「もし、気になるんだったら、今日も行ってみたらどうだ?」
咲良の、部屋へ。

-------------------

咲良の部屋の前に立つ。アルヴィス内なので治療室という名がついているが、実質咲良の入院している個室といっても差違はない。
ここ一週間はこの部屋の前で拒否されてばかりだった。最後の方は言葉数も少なく「入ったらぶん殴る」のみだった。
部屋のドアを叩く手が震える。これでまた拒否されてしまったらどうしようという思いと、きちんと事情を聴けるんだろうかという不安とが胸の中を波のように行き来する。
しかし、ここに立っているだけでは何も解決しない。
ドアを叩く。「誰……」と小さな声。
「あ……俺、」
「剣司……?」
「う、うん」
「何」
「咲良に、会いに、来た」
たどたどしい言葉になる。まさかこんなに臆病になるなんて。ファフナーに搭乗している時の感覚がよみがえる。体中を巡る、自分自身の不安な気持ち。
ただ、これで咲良に拒絶されてしまったら、本当に、本当に自分は。
「入って、いいか」
「………」
恐れていた沈黙。とても長く感じる、時間。ゆっくり息を吐き、吸う。そして、伝える。
「俺、咲良と、一緒に居たいんだ」
「……なっ、何よ……!いきなり」
動揺の声。いつもの声。その声に少し安堵してしまう。
「いきなり、かもしれないけど…!でも、俺、このまま咲良に会えないのは、嫌なんだ……!」
「…………」
「その…、咲良が、ここに居てくれたから、俺は、生きていられるんだ…って、」
「………馬鹿」
ドア越しに聞こえる声。そしてドアが開く。
車椅子に座った咲良が、そこに居た。
「咲良……」
「恥ずかしい奴……」
「だ、だってそれはお前が……!」
「あぁはいはい、ごめん。ほら、入んな」
「あ、あぁ」
そうして咲良の後を追い部屋に入る。
そして、咲良はベッド脇の棚から、ゆっくりとした動作で取り出す。
「ほら」そう言いながら剣司に差し出した其れは。
「マ、フラー…?」
「見れば分かるでしょ」
「いや、分かるけど、これ、」手作り、と問う前に。
「下手で悪かったね」と被された。
「いや、そうじゃなくて……!え、これ、俺に?」
咲良は黙って頷く。そして「あんた、今日誕生日でしょ」という発言に、剣司はマフラーを差し出された時と変わらぬ、状況を把握できない者のぽかんとした顔で、「え?」と言った。
「わ、忘れてた」
「え……、えええ!?」
回復して車椅子で動けるようになったとはいえ、咲良にしてはとても大きな声が部屋中に響いた。
「あ、あんた、忘れてたの、自分の誕生日……」
「だ、だって咲良の事で頭がいっぱいだったし、それどころじゃなかったんだよこの一週間…!」
「……前は私と衛にうるさいくらい誕生日を主張してた癖に……」
呆れたように呟く。しかし、剣司はその言葉に小さく笑った。
「そういえば、そうだったな」
「そうよ、もう……」
「ありがとう」
「いや、まあ、いいけど」
「咲良に祝ってもらえて、本当に、良かった」
涙が出てきそうなのをこらえてマフラーを握りしめる。
「母ちゃん」「衛」「咲良」。自身の世界を構成する大事な者たち。
「咲良……ずっと、ここに居てくれよな、」
大事な言葉を、伝えた。

end
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